古典ギリシア語の入力 ἐπ’ Ubuntu
環境:Ubuntu 16.04, Fcitx
インプットメソッドとかについて
インプットメソッドとかについてよくわかってなかったのでこの機に少し調べた.
インプットメソッド (IM) は Windows における IME みたいなものらしい (Microsoft IME, ATOK, SKK, Mozc, Simeji とか).
IM を管理したりインターフェイスを提供している(入力と IM の間に立ってよきに計らう)のがインプットメソッドフレームワーク (IMF).
Ubuntu だと以前はデフォルトで iBus(アイバス)という IMF を使用していたが,16.04 からはデフォルトで Fcitx(ファイティクス)という IMF になったらしい.
ということで Fcitx の設定からインプットメソッドについていろいろ設定する.今回はただギリシア語キーボードを追加するだけでよい.
Fcitx の設定(入力メソッドの設定)を開くには Dash から Fcitx で検索すればよい.もしくはインジケーター(右上)にあるアイコンからも設定が開ける.
ギリシア語キーボードの追加
入力メソッドの設定から左下の + を押して“キーボード - ギリシャ語”を探し追加する.このとき“現在の言語のみ表示”のチェックを外さないと現れないので注意.
入力メソッドの切り替え
こんな感じでギリシア語キーボードに切り替えればギリシア文字が入力できる.
キーボードから入力メソッドを切り替えたい場合は,以下から入力メソッドの切換キーについて設定できる.
Fcitx の設定(入力メソッドの設定) -> “全体の設定”タブ -> 入力メソッドの切替
デフォルトはたぶん Ctrl+Shift なので,Ctrl+Shift で入力メソッドの切り替えができる
AltGr キー
古典ギリシア語の表記においては,現代ギリシア語(デモティキ)では用いられないアクセント記号や気息記号がよく用いられる.
ギリシア語キーボードからこれらの記号を入力するためには AltGr キー(オルタネートグラフィックキー)が必要らしい.
キーボードに AltGr キーがなかったり,もしくは無効化されている場合があるので,それを有効にして適当なキーに割り当てる必要がある.
まず システム設定 -> キーボード -> “ショートカット”タブ -> タイピング を開く.
そのなかに“代替文字キー”という項目がある.これが AltGr キーに相当するようなので,これに適当なキーを割り当てる.
私のノート PC のキーボードには AltGr も右 Alt もなかったのでとりあえず Menu に割り当てた.
以降この割り当てたキーを AltGr と表記する.
記号の入力
ギリシア語キーボードにおいて次のようにすると各種記号が入力できる.ここで ;
:
@
[
は一般的なキーボードでそれが書いてあるキーである(キーボードについて詳しくないのでこう書いてごまかしておく).
ただし以下の表は私が実際に試してみて見つけた入力方法なので,環境によっては異なるかもしれないし,他の入力方法もあるかもしれないということに注意されたい.
記号 | 入力方法(この後に文字を入力) |
---|---|
鋭アクセント (´) | ; |
重アクセント (`) | AltGr +: |
曲アクセント (~) | AltGr +@ |
分離記号 (¨) | Shift +; |
分離記号 + 鋭アクセント | Shift +; ; もしくは ; Shift +; |
有気記号 (ʽ) | AltGr +Shift +: |
無気記号 (') | AltGr +Shift +; |
アクセント + 気息記号 | アクセントの後に気息記号を入力 |
長音記号 (¯) | AltGr +Shift +@ |
短音記号 (˘) | AltGr +Shift +[ |
下付きのイオタ (ͺ) | AltGr +[ |
一部記号は“入力方法”を二回繰り返すと記号自体を入力する.
また,長音 / 短音記号とアクセントや気息記号を組み合わせるのは難しいようである*1.
感想
めんどくせーふざけるな考えただけで入力できるようになれ.